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BIG3とは何だったのか — フェデラー・ナダル・ジョコビッチが支配した黄金時代

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2000年代半ばから2020年代にかけて、男子テニスは3人の選手によって支配された。ロジャー・フェデラー、ラファエル・ナダル、そしてノバク・ジョコビッチ。「BIG3(ビッグスリー)」と呼ばれる彼らは、四大大会のタイトルを独占し、テニスの歴史そのものを書き換えた。本稿では、彼らが遺したものを振り返る。

塗り替えられた記録

BIG3が積み上げた四大大会シングルスの優勝回数は、ジョコビッチが24回、ナダルが22回、フェデラーが20回。3人合わせて66回に及ぶ。彼ら以前の男子最多記録がピート・サンプラスの14回だったことを思えば、その突出ぶりがわかる。

世界ランキング1位の通算在位週数でも、ジョコビッチの428週は男女を通じた歴代最長記録である。フェデラーの310週、ナダルの209週がそれに続く。年間最終ランキング1位の回数も、ジョコビッチが8回で歴代最多を誇る。

三者三様のスタイル

フェデラーは、片手打ちバックハンドと流れるようなオールコートプレーで「優雅」と評された。ナダルは、左利きから繰り出す強烈なトップスピンと不屈の闘志を武器に、全仏オープンを史上最多の14度制して「クレーの王者」と呼ばれた。ジョコビッチは、体の柔軟性を生かした鉄壁の守備と、世界最高と称されるリターンで、相手の攻撃を跳ね返し続けた。

個性は異なれど、3人に共通していたのは、どんな場面でも崩れない精神力と、20年近く第一線であり続けた身体の強さだった。

ライバル関係が生んだ名勝負

BIG3は互いに幾度となく激突した。フェデラーとナダルの対決は、優雅さと闘志の対比として語り継がれ、2008年のウィンブルドン決勝は「史上最高の試合」と評されることも多い。後に台頭したジョコビッチは、両者との通算対戦成績でいずれもリードして頂点に上り詰めた。互いを高め合うライバル関係こそが、記録を押し上げた原動力だった。なお、この3人にアンディ・マレーを加えて「BIG4」と呼ぶこともある。

世代の狭間で割を食った選手たち

BIG3の支配は、同時代の実力者たちにとっては過酷な壁でもあった。本来なら四大大会を制していてもおかしくない才能が、この3人の前に涙をのんだ。日本の錦織圭もその一人だ。2014年の全米オープンでアジア男子として初めて四大大会シングルス決勝に進出したが、その道のりは常にBIG3という壁との戦いでもあった。

ひとつの時代の終わり

フェデラーは2022年に、ナダルは2024年に現役を退いた。ジョコビッチは2026年現在もツアーでプレーを続けているが、新世代の台頭とともに、BIG3が築いた黄金時代は静かに幕を下ろそうとしている。彼らが遺した記録と物語は、これからのテニスが常に参照する「基準」であり続けるだろう。

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